ロラン・セアック
「ターンAガンダム ~おやめください!グエン様! 2人きりの虹色蝶々がコンプラ破壊で野外露出金魚すくいフェスティバル~」
民明コバルトソーサラー書房 デス・アダー著
「ここは、川じゃないですか」
ロランはいぶかしむ。ここは、そうだ。地球に降り立ち金魚を浮かべた。あの川だ。
「最近の夏は酷だからね。ローラと涼もうと思ったのさ」
グエンは慣れた手つきでシャツのボタンを外していく。
「はあ……」
ロランはその様子を横目におずおずとサスペンダーをずらす。
「ローラ、君の大切な金魚、ソシエ嬢から借りてきたんだよ」
グエンは金魚をロランの首にかけた。しかしやけに首紐が長い。
「この紐…?」
首からぶら下がった金魚は、まるであつらえたようにロランの股間の高さに収まった。
「ローラ、知っているかい?異国では金魚すくいと言って、本物の金魚を壊れやすいカップで掬い取る露店が出るそうだよ」
グエンはロランの金魚に熱い視線を送る。
「いじわるですね」
金魚の紐が邪魔で服が脱ぎにくい。
「簡単に金魚を取られては露店主も困るだろう。それにお客もゲームが難しい方が楽しめるというものさ」
最後の一枚を脱ぎ捨てたグエンは、手間取っているロランの背後にさりげなくまわる。
―そう、服を脱ぐのも、そのあとも、難しい方が。
湿り気を帯びたグエンの視線はロランの肩甲骨から背骨をたどり腰骨へと滑る。
「紐のせいで脱ぎにくいです。これも面白いのでしょうか」
「そうさ。少なくとも手間取っているローラを眺めている分にはね」
「それは、どういう」
「金魚すくいをしようという事さ」
グエンはおもむろにロランのパンツを足の指で摘み、器用におろした。
「あ!」
ロランは突然のことに声をあげた。
~中略~
―これが金魚すくい?異国ではこんなこと……!?
ロランは身体を隠すことで精一杯だった。
金魚の中に、自分の意とは裏腹に反応を隠せない自分自身がいる。許せなかった。
―こんな、見せるわけにはいかない!
~中略~
「この港を制圧するのは骨が折れそうだ、ローラ」
グエンはそう呟くと舌を滑らせ唇を湿らせた。
「さあ、金魚を釣り上げよう」
―いただき女子ならぬ、いただき漁師、ってね。
グエンはほくそ笑んだ
~中略~
解放されたロランの漁港はさわやかな潮の香りをグエンの鼻孔に漂わせた。
「ああ!ローラ、君はこんなにも私を激しく揺さぶる!」
グエンは平静を装い続けることに限界を感じ始めていた。
抑えようにもどす黒い欲望が充満し、吐息となって漏れ出てしまう。
まるで盛りの付いた犬のように腰が小刻みに動いてしまう。
この理性とタガのせめぎ合いこそがグエンにとって最高の愉悦なのだ。
「おやめください!グエン様!」
ロランの懇願はグエンの理性の根幹である脳髄を握り潰した。
グエンは演奏家となり、ロランのフルートを指鮮やかに奏で始めた。
「く、クゥ……!」
ロランは首を左右に激しく振る。拒絶と、懇願と、聖域をおかされる大罪と。
「ディ、ディアナ様……お許しを……」
最後にロランの唇から漏れた言葉は信仰だった。
そして、グエンの眼前に
「月光蝶である!」
刹那、凄まじい虹色の衝撃がロランの先端から濁流のように射出。
直撃を受けたグエンは瞬く間に消失、地球と月は真っ二つに捩じ切られた。
大地は鳴動、空は歪に攪拌される。宇宙は白く輝いた。
ソシエは絶叫しながら斜面を駆け下りた。
完







